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茎ほうじ茶とは|棒茶・加賀棒茶との関係と、普通のほうじ茶との違い

茎ほうじ茶とは|棒茶・加賀棒茶との関係と、普通のほうじ茶との違い

茎ほうじ茶のいちばんの魅力は、本来なら商品になりにくい茎の部分を、焙じることでおいしいお茶に仕立てているところにあります。

茎ほうじ茶とは、お茶の仕上げの工程で選り分けた茎を焙じたほうじ茶です。棒茶や棒ほうじ茶とも呼ばれ、石川県の加賀棒茶もその仲間です。ただ、茎だからおいしい、というわけではありません。味わいを大きく左右するのは、焙煎の仕方と、その茎がどんな茶園で育った一番茶のものか、です。この記事では、茎ほうじ茶と棒茶・加賀棒茶の関係、葉のほうじ茶との違い、選び方、おいしい淹れ方を解説します。

目次
  1. 茎ほうじ茶とは
  2. 棒茶・加賀棒茶とは
  3. 葉のほうじ茶と、何が違う?
  4. 茎ほうじ茶の選び方
  5. 茎ほうじ茶のおいしい淹れ方
  6. よくある質問
  7. 茎だから、ではなく、どう仕立てたか

茎ほうじ茶とは

茶畑で摘んだ茶葉は、まず「荒茶」に加工されます。荒茶には葉だけでなく茎や粉も混ざっているため、問屋や茶工場で、ふるいや選別機を使って葉と茎、粉を選り分けます。このとき中心になる葉を「本茶」、選り分けられた茎や粉、芽を「出物(でもの)」と呼びます。詳しくは「お茶ができるまで」で紹介しています。

一般に、一番茶の煎茶として商品になるのは、葉の部分です。茎は出物として扱われ、本茶よりも低い評価をつけられてきました。その茎を集めて、焙じることで香ばしく、おいしく仕上げたのが茎ほうじ茶です。焙じる前の茎のままのお茶は「茎茶」と呼ばれ、玉露や上級な煎茶の茎茶は「かりがね」や「白折(しらおれ)」とも呼ばれます。

茎ほうじ茶ができるまでの図。荒茶を仕上げの工程で選り分け、葉は本茶(煎茶)に、茎は出物(茎茶)になる。その茎茶を焙じたものが茎ほうじ茶(棒茶)

本来なら商品になりにくい部分を、手間をかけて焙じ、ひとつのお茶としてきちんと仕立てている。私は、そこに茎ほうじ茶のいちばんの価値があると感じています。

棒茶・加賀棒茶とは

棒茶は、茎ほうじ茶の別の呼び名です。細い棒のような茎の形から、そう呼ばれています。「棒ほうじ茶」も同じものを指します。

加賀棒茶は、石川県で親しまれてきた茎ほうじ茶の呼び名です。石川県では、日常のお茶として茎ほうじ茶がよく飲まれてきました。

ほうじ茶そのものについては、「ほうじ茶とは」で詳しく紹介しています。

葉のほうじ茶と、何が違う?

茎ほうじ茶と葉のほうじ茶は、どちらも焙じたお茶ですが、成分や香りに少しずつ違いがあります。ただ、茎だからおいしい、葉だからおいしい、ということはありません。「ほうじ茶とは」でも書いたとおり、味わいを大きく左右するのは、焙煎の深さと、一番茶の葉や茎を使っているかどうかです。

香り

焙じたときに生まれる香りの成分は、葉と茎で少し違います。葉のほうじ茶では「2,3,5-トリメチルピラジン」、茎ほうじ茶では「2,3-ジエチル-5-メチルピラジン」という香ばしい香りの成分が多く生まれることが知られています。茎ほうじ茶の、軽やかで甘い香ばしさは、この違いによるものです。

味わい

茎は葉に比べて、旨味や甘味のもとになるテアニンが相対的に多く、渋味のもとになるカテキンが少ない傾向があります。そのため茎ほうじ茶は、渋味が少なく、すっきりとした甘味を感じやすいお茶です。テアニンについては「テアニンとは」で紹介しています。

カフェイン

茎は、芽や葉に比べてカフェインが少なめとされています。ただし、茎ほうじ茶もノンカフェインではありません。他のお茶との比較は「お茶のカフェイン」で解説しています。

茎ほうじ茶の選び方

茎ほうじ茶は、本来なら商品になりにくい部分を使っているため、手頃な価格のものが多く、毎日たっぷり飲めるのも魅力です。そのうえで、選ぶときは次の点を見てみてください。

  • 一番茶の茎かどうか: 旨味のもとになるアミノ酸は、一番茶に多く含まれます。香ばしさを生むメイラード反応にもアミノ酸が欠かせないため、一番茶の茎を使ったものは、香りにも味わいにも厚みが出やすくなります
  • 焙煎の深さ: 茎の色が明るいものは浅煎りで軽やか、濃い茶色のものは深煎りで香ばしさが強くなります
  • 茎だけか、葉と茎の両方か: 茎だけのものに比べて、葉と茎の両方を使ったほうじ茶は、香りの成分が重なり、香りに厚みが出やすいと私は感じています

たゆまの茶荘のすみかは、葉と茎の両方を使い、静岡・袋井で炭火でじっくりと焙煎した中煎りのほうじ茶です。軽やかで香り高く、みずみずしさを感じる味わいです。

茎ほうじ茶のおいしい淹れ方

茎ほうじ茶も、沸かしたての熱湯で淹れると、香ばしい香りがしっかりと立ちます。一杯(150ml)分の目安は次のとおりです。

茶葉 お湯の温度 抽出時間
3g 100℃(熱湯) 80〜100秒
  1. 急須に茶葉を入れる
  2. 沸かしたての熱湯を注いで蓋をする
  3. 80〜100秒ほど抽出する
  4. 湯呑みに、最後の一滴まで注ぎ切る

二煎目も熱湯のままで、抽出時間を30〜40秒ほどに短くします。水出しにするときは、茶葉16gを冷水1Lに入れ、冷蔵庫で4〜8時間ほど置きます。

よくある質問

Q. 茎ほうじ茶と棒茶は同じですか?

はい、同じものを指します。茎を焙じたほうじ茶を、棒のような形から「棒茶」や「棒ほうじ茶」とも呼びます。

Q. 加賀棒茶とは何ですか?

石川県で親しまれてきた茎ほうじ茶の呼び名です。茎ほうじ茶の仲間で、日常のお茶としてよく飲まれてきました。

Q. 茎ほうじ茶はカフェインが少ないですか?

茎は芽や葉に比べてカフェインが少なめとされていますが、ノンカフェインではありません。

Q. 茎茶と茎ほうじ茶の違いは何ですか?

茎茶は、仕上げの工程で選り分けた茎を、焙じずにそのまま仕上げたお茶です。その茎茶を焙じて香ばしくしたものが、茎ほうじ茶です。

茎だから、ではなく、どう仕立てたか

茎ほうじ茶は、本来なら商品になりにくい茎を、焙じることでおいしいお茶に仕立てたものです。手頃な価格で毎日たっぷり飲めるのも、その魅力のひとつです。

ただ、茎だからおいしいわけではありません。選ぶときは、「茎ほうじ茶かどうか」よりも、どんな一番茶を使い、どう焙じたかに目を向けてみてください。ほうじ茶全体の味わいの違いについては、「ほうじ茶とは」もあわせてご覧ください。

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