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ほうじ茶とは|香ばしさの理由と、焙煎と部位で変わる味わい、カフェイン、おいしい淹れ方

ほうじ茶とは|香ばしさの理由と、焙煎と部位で変わる味わい、カフェイン、おいしい淹れ方

ほうじ茶を数十種類飲み比べてきて、いつも驚かされるのは、同じ「ほうじ茶」という名前でも、香りも味わいも驚くほど幅があることです。

ほうじ茶とは、煎茶や番茶などを強い火で焙じて、香ばしい香りを引き出したお茶です。その香ばしさのもとになっているのが、焙じるときに茶葉の中の糖とアミノ酸が反応する「メイラード反応」です。茶色いお茶ですが、紅茶のように葉を酸化させたお茶ではなく、緑茶の仲間です。この記事では、ほうじ茶の香ばしさの理由と、焙煎の深さや部位で変わる味わい、カフェイン、おいしい淹れ方、古くなった茶葉を家で焙じる方法までを解説します。

目次
  1. ほうじ茶とは
  2. 焙じると、何が変わるのか
  3. ほうじ茶の味わいの違いは、何から生まれる?
  4. ほうじ茶のカフェイン
  5. ほうじ茶のおいしい淹れ方
  6. 古くなった茶葉で、家でほうじ茶をつくる
  7. よくある質問
  8. 「ほうじ茶」の一言では括れない、味わいの幅

ほうじ茶とは

ほうじ茶は、煎茶や番茶、茎茶などを、160〜200℃ほどの高い温度で焙じてつくるお茶です。原料になるお茶はさまざまで、葉を焙じたもの、茎を焙じたもの、一番茶を使ったもの、遅い時期に摘んだ番茶を使ったものなど、同じ「ほうじ茶」でも中身は大きく違います。

ほうじ茶は水色が茶色いため、紅茶のような発酵茶の仲間だと思われることもありますが、摘んですぐに蒸して酸化を止めた緑茶を焙じたもので、不発酵茶(緑茶)の仲間です。茶色いのは、葉を酸化させたからではなく、焙煎によるものです。日本茶全体の中での位置づけは「お茶の種類一覧」で、煎茶については「煎茶とは」で紹介しています。

焙じると、何が変わるのか

緑茶を強い火で焙じると、色も香りも味わいも大きく変わります。

焙じる前と後の変化の図。色は緑・黄緑から茶色(焙煎による)に、香りは青々しい香りから香ばしい香り(メイラード反応)に、渋味・苦味はカテキンが減って穏やかに、カフェインは深煎りで少し減るが含まれる

メイラード反応で、香ばしい香りが生まれる

ほうじ茶の香ばしさのもとは、焙じるときに茶葉の中の糖とアミノ酸が反応する「メイラード反応」です。パンの焼き色やコーヒーの焙煎と同じ仕組みで、この反応によって、ピラジン類などの香ばしい香りの成分と、茶色い色のもとになる成分が生まれます。

渋味や苦味が穏やかになる

焙じると、渋味のもとになるカテキンが減り、口当たりが穏やかになります。焙煎が深いほどカテキンは大きく減り、渋味の少ない、香ばしいお茶になります。

水色が茶色になる

ほうじ茶の茶色い水色も、メイラード反応などの焙煎でできた成分によるものです。紅茶のように、葉の中の酵素で酸化させてできた色とは仕組みが違います。

ほうじ茶の味わいの違いは、何から生まれる?

ほうじ茶を数十種類飲み比べてきて実感するのは、焙煎の深さと、使う部位によって、おいしさがまったく違うということです。炭火やガスなど、焙じるときの熱源の違いもありますが、味わいへの影響はそれほど大きくありません。味わいの違いを生む大きな要因は、焙煎の深さと部位の2つです。

焙煎の深さ(浅煎り・中煎り・深煎り)

ほうじ茶は、焙じる深さによって、香りも味わいも大きく変わります。

浅煎り 中煎り 深煎り
茶葉の色 明るい茶色。緑が少し残る 茶色 濃い茶色
水色 明るい黄金色 琥珀色 濃い褐色
香り 緑茶らしさの残る、軽やかな香ばしさ 香ばしさと軽やかさの釣り合い コーヒーやチョコレートを思わせる香り
味わい すっきりとして、みずみずしい 香ばしく、まろやか 苦味のあとに広がる甘味、重厚な味わい

たゆまの茶荘のすみかは、静岡・袋井で炭火でじっくりと焙煎した中煎りのほうじ茶で、軽やかで香り高く、みずみずしさを感じる味わいです。こがれは、奈良の在来種の茶葉を深く焙煎した深煎りのほうじ茶で、コーヒーやチョコレートを思わせる香りと、こっくりとした甘味が持ち味です。

部位(葉と茎)

葉を焙じたほうじ茶と、茎を焙じた「茎ほうじ茶(棒茶)」がありますが、実は葉か茎かで味わいが大きく変わるわけではありません。それよりも大きいのは、一番茶の葉や茎を使っているかどうかです。香ばしさを生むメイラード反応にはアミノ酸が欠かせないため、旨味のもとになるアミノ酸を多く含む一番茶の葉や茎を焙じると、ほうじ茶のおいしさが生まれやすくなります。焙じたときに生まれる香りの成分は葉と茎で少しずつ違うので、私は茎だけのものよりも、葉と茎の両方を使ったほうじ茶のほうが、香りに厚みが出ておいしくなりやすいと感じています。茎ほうじ茶については「茎ほうじ茶とは」で詳しく紹介します。

一番茶の茶葉を使ったほうじ茶には、旨味がしっかりと残ります。旨味の少ない茶葉を焙じたほうじ茶は、カラッとした、乾いたドライな味わいになります。それもひとつの魅力ですが、私が好きなのは、みずみずしさが残っていたり、香りに特徴があったりするほうじ茶です。

ほうじ茶のカフェイン

ほうじ茶はカフェインが少ないお茶だと思われることがありますが、ノンカフェインではありません。日本食品標準成分表では、ほうじ茶の浸出液100mlあたりのカフェインは約20mgで、煎茶とほぼ同じです(淹れ方の条件によって変わります)。深煎りのほうじ茶では、焙煎でカフェインが少し減るという報告もありますが、大きく減るわけではありません。

それでもほうじ茶が、食事中や夜にも飲みやすいと感じられるのは、カテキンが減って渋味や苦味が穏やかになっているからです。他のお茶やコーヒーとの比較は、「お茶のカフェイン」で詳しく解説しています。

ほうじ茶のおいしい淹れ方

ほうじ茶は、沸かしたての熱湯で淹れると、香ばしい香りがしっかりと立ちます。一杯(150ml)分の目安は次のとおりです。

茶葉 お湯の温度 抽出時間
3〜4g 100℃(熱湯) 80〜100秒
  1. 急須に茶葉を入れる
  2. 沸かしたての熱湯を注いで蓋をする
  3. 80〜100秒ほど抽出する
  4. 湯呑みに、最後の一滴まで注ぎ切る

二煎目も熱湯のままで、抽出時間を30〜40秒ほどに短くします。

古くなった茶葉で、家でほうじ茶をつくる

開封して時間がたち、香りが落ちてしまった煎茶や番茶は、もう一度焙じることで、香ばしいほうじ茶として楽しめます。飲みきれずに古くなってしまった茶葉も、焙じれば新しい一杯に生まれ変わります。特別な道具がなくても、家のフライパンでつくれます。

  1. 油をひかない乾いたフライパン(または焙烙)を、中火で温める
  2. 茶葉を20gほど入れ、弱めの中火で、フライパンを揺すりながら焙じる
  3. 香ばしい香りが上がってきたら、そこから1分ほど揺すりながら加熱を続ける
  4. 茶葉が薄い茶色になったら火を止める。あとは余熱で火を入れるイメージで、少し揺すってから別の器に移して冷ます

焙じすぎると焦げて、苦くなってしまいます。火加減や止めるタイミングは、何度か試しながら、好みの焙じ具合を探してみてください。焙じたてがいちばん香りが立つので、飲む分だけ焙じるのがおすすめです。

よくある質問

Q. ほうじ茶は緑茶ですか?

はい。ほうじ茶は、煎茶や番茶などの緑茶を焙じたお茶で、不発酵茶(緑茶)の仲間です。茶色い水色は、葉を酸化させたからではなく、焙煎によるものです。

Q. ほうじ茶にカフェインは入っていますか?

入っています。浸出液100mlあたり約20mgで、煎茶とほぼ同じです(日本食品標準成分表)。深煎りでは少し減るという報告もありますが、ノンカフェインではありません。

Q. ほうじ茶と番茶の違いは何ですか?

番茶は、遅い時期に摘んだ大きな葉や茎でつくる緑茶で、ほうじ茶は、煎茶や番茶などを強い火で焙じたお茶です。番茶を焙じてつくるほうじ茶も多くあります。

Q. ほうじ茶は水出しできますか?

できます。茶葉を16gほど、冷水1Lと一緒に容器に入れ、冷蔵庫で4〜8時間ほど置いてください。熱湯で淹れたときより、香ばしさがやわらかく、すっきりとした味わいになります。

Q. 古くなった茶葉はどうすればよいですか?

香りが落ちてしまった煎茶や番茶は、フライパンで焙じて、ほうじ茶として楽しめます。この記事の「古くなった茶葉で、家でほうじ茶をつくる」で、焙じ方を紹介しています。

「ほうじ茶」の一言では括れない、味わいの幅

ほうじ茶は、ふだんは「ほうじ茶」の一言でまとめられてしまいがちですが、焙煎の深さや部位、原料の茶葉によって、意外なほど味わいに幅のあるお茶です。

たゆまの茶荘では、スタンダードなものから変わり種まで、それぞれの中でいちばんおいしいと感じたほうじ茶を選んでいます。中煎りで軽やかなすみかと、深煎りで重厚なこがれを飲み比べて、ぜひ好みの焙じ具合を見つけてみてください。ほかのお茶は茶葉の一覧からご覧いただけます。

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