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お茶の種類について|不発酵茶・半発酵茶・発酵茶・後発酵茶の4分類で、緑茶から紅茶・プーアル茶まで解説

お茶の種類について|不発酵茶・半発酵茶・発酵茶・後発酵茶の4分類で、緑茶から紅茶・プーアル茶まで解説

緑茶も烏龍茶も紅茶も、もとをたどれば同じ茶樹の葉からつくられていることをご存じでしょうか。産地を巡っていると、同じ茶葉からつくられるのに加工の仕方は千差万別で、同じお茶でも作り手によって少しずつ違うことに、いつも驚かされます。

お茶は、茶葉の酸化をどこまで進めるか、微生物の力で発酵させるかどうかで、不発酵茶・半発酵茶・発酵茶・後発酵茶の4つに分けられます。日本で最もよく飲まれている煎茶や玉露は不発酵茶、烏龍茶は半発酵茶、紅茶は発酵茶、阿波晩茶やプーアル茶は後発酵茶です。この記事では、4つの分類を手がかりに、日本茶と世界のお茶の種類を体系的に解説します。

目次
  1. お茶は4つの分類に分かれる
  2. 不発酵茶(緑茶)
  3. 半発酵茶(烏龍茶・白茶)
  4. 発酵茶(紅茶・和紅茶)
  5. 後発酵茶(阿波晩茶・プーアル茶など)
  6. 好みから選ぶお茶
  7. よくある質問
  8. お茶の種類と味わいはさまざま

お茶は4つの分類に分かれる

私たちが「お茶」と呼ぶ飲み物は、どれもツバキ科の「茶樹(チャノキ)」の葉からつくられています。茶樹の学名は「Camellia sinensis(カメリア・シネンシス)」で、緑茶も烏龍茶も紅茶も、植物としてはすべてこのたった1種の葉から生まれています。

茶樹には、葉が小さく寒さに強い「中国種(var. sinensis)」と、葉が大きく暖かい土地でよく育つ「アッサム種(var. assamica)」という2つの変種があり、日本で育てられている茶樹のほとんどは中国種です。やぶきたやべにふうきなどの「品種」は、この1種の中で味や香り、育てやすさを選び抜いて生まれたもので、植物として別の種になるわけではありません。

その葉がどんなお茶になるかを分けるのは、葉の中の酵素による酸化をどこまで進めるかと、微生物による発酵をさせるかどうかの2つです。

ここで注意したいのが「発酵」という言葉で、紅茶や烏龍茶を「発酵茶」「半発酵茶」と呼ぶときの発酵は、微生物の働きではなく、茶葉にもともと含まれる酵素による酸化のことを指しています。一方で「後発酵茶」は、加熱して酵素の働きを止めたあとに、乳酸菌やカビなどの微生物の力で発酵させるお茶で、同じ「発酵」という言葉でも仕組みはまったく異なります。

酸化を止めるのは、葉に熱を加えて酵素の働きを止める「殺青(さっせい)」という工程です。摘んですぐに殺青すれば不発酵茶、酸化を途中まで進めてから殺青すれば半発酵茶、殺青せずに酸化を十分に進めれば発酵茶となり、殺青のタイミングが分類を決めています。殺青の詳しい話は「お茶ができるまで」で解説しています。

酸化の度合いで並べたお茶の4分類と水色の図。不発酵茶(抹茶・玉露・煎茶・ほうじ茶など)、半発酵茶(白茶・包種茶・鉄観音・東方美人など)、発酵茶(ダージリン・和紅茶・アッサムなど)、微生物で発酵させる後発酵茶(黄茶・阿波晩茶・碁石茶・プーアル茶など)

左から右へ酸化が進むほど、水色は緑から黄金色、紅色へと変わっていきます。後発酵茶は微生物による発酵で、酸化とは別の仕組みなので下に分けています。

中国茶の6大分類との対応

中国茶では、お茶を水色や茶葉の色にちなんだ「緑茶・白茶・黄茶・青茶・紅茶・黒茶」の6つに分けることが多く、日本の4分類とは次のように対応しています。

中国茶の6大分類 4分類での位置 代表的なお茶
緑茶 不発酵茶 龍井茶・碧螺春
白茶 半発酵茶(酸化がごく軽い「弱発酵茶」) 白毫銀針・白牡丹
青茶 半発酵茶 鉄観音・東方美人・武夷岩茶
紅茶 発酵茶 祁門紅茶
黒茶 後発酵茶 プーアル茶
黄茶 後発酵茶(変化がごく軽い「弱後発酵茶」) 君山銀針

不発酵茶(緑茶)

不発酵茶は、摘んだ葉をすぐに殺青して、酸化させずにつくるお茶で、いわゆる「緑茶」のことです。日本でつくられているお茶のほとんどは、この不発酵茶です。中国の緑茶が釜で炒って殺青するものが多いのに対して、日本の緑茶の多くは蒸して殺青する「蒸し製」で、青々しい香りと鮮やかな緑が持ち味です。

同じ緑茶でも、茶畑での育て方と、工場でのつくり方の違いによって、たくさんの種類に分かれていきます。

育て方で分かれる緑茶(玉露・かぶせ茶・抹茶)

日光をたっぷり浴びて育つ「露地栽培」に対して、摘む前の茶園を覆って日光を遮るのが「被覆栽培」です。日光を遮ると、旨味のもとになるテアニンが渋味のもとになるカテキンへ変わるのが抑えられ、旨味が豊かで、深く鮮やかな緑のお茶になります。

  • かぶせ茶: 摘む前の1週間ほど覆って育てたお茶で、煎茶のすっきりとした味わいと、玉露のような旨味の両方をもつお茶です。(商品例: あまもあ)
  • 玉露: 棚を組んで約20日覆い、じっくりと旨味を蓄えたお茶で、低い温度のお湯で淹れると出汁のような濃い旨味が広がります。
  • 碾茶・抹茶: 2〜3週間覆って育てた葉を、殺青したあと揉まずに乾かしたものが碾茶(てんちゃ)で、これを石臼で細かく挽いたものが抹茶です。

被覆栽培については「被覆栽培(被せ)とは?」で詳しく解説しています。

つくり方で分かれる緑茶(煎茶・ほうじ茶など)

日本の緑茶の基本となるのが、蒸して殺青し、揉みながら乾かして針のような形に整える「煎茶」です。この煎茶を基準にすると、ほかの緑茶は次のように分かれます。

お茶 煎茶との違い 味わいと香り
煎茶 日本の緑茶の基本(蒸して殺青し、精揉で細く整える) 青々しい香りと、旨味・渋味の釣り合い
深蒸し煎茶 蒸し時間を煎茶の2〜3倍ほどに長くする 濃い緑の水色と、まろやかな味わい
玉緑茶(ぐり茶) 精揉をせず、葉を回転させながら乾かして丸める 渋味の穏やかな、まろやかな味わい
釜炒り茶 蒸すかわりに熱した釜で炒って殺青する 「釜香」と呼ばれる香ばしさと、すっきりとした味わい
番茶 遅い時期に摘んだ大きな葉や茎でつくる すっきりと軽い、日常のお茶
ほうじ茶 煎茶や番茶を、さらに強い火で焙じる 香ばしく、渋味や苦味は穏やか
玄米茶 煎茶や番茶に、炒った玄米を合わせる 玄米の香ばしさと、軽やかな飲み口
茎茶・芽茶・粉茶 仕上げで分けられた茎や芽、粉(出物)を、それぞれお茶にする 茎茶はさわやか、芽茶と粉茶は濃いめ

こうした加工の違いは「お茶ができるまで」で、一つひとつのお茶についてはそれぞれの記事で詳しく紹介しています。たゆまの茶荘では、煎茶ではとこのはやはなしずく、ほうじ茶ではすみかやこがれ、番茶では三年晩茶のほのくらを扱っています。

煎茶については「煎茶とは」、深蒸し煎茶については「深蒸し煎茶とは」で詳しく解説しています。

萎凋煎茶

緑茶の中には、殺青の前に摘んだ葉をしばらく置いてしおれさせる「萎凋(いちょう)」を行う「萎凋煎茶」もあります。萎凋のあいだに葉の中で成分が少しずつ変化し、緑茶でありながら「萎凋香(いちょうか)」と呼ばれる花のような香りをまといます。酸化はほとんど進めないため、ここでは不発酵茶の仲間として紹介しています。

半発酵茶(烏龍茶・白茶)

半発酵茶は、摘んだ葉を萎凋させて酸化を途中まで進め、ちょうどよいところで殺青してつくるお茶です。酸化をどこで止めるかによって、緑茶に近いものから紅茶に近いものまで幅広いお茶が生まれます。

烏龍茶(青茶)

半発酵茶の代表が、中国や台湾でつくられる烏龍茶で、中国茶の6大分類では「青茶」と呼ばれます。萎凋させた葉をゆすって縁をこすり合わせることで酸化を進め、花や果実を思わせる香りを引き出してから、釜で炒って殺青します。

鉄観音(てっかんのん)や東方美人、武夷岩茶、凍頂烏龍茶など、よく知られた名前のお茶は、どれも烏龍茶の仲間で、産地や品種、酸化や焙煎の度合いの違いが、それぞれの個性になっています。台湾の包種茶(ほうしゅちゃ)のように酸化をごく軽くとどめたものは、緑茶に近い清らかな香りをもちます。

白茶

白茶は、白い産毛に覆われた芽や若い葉を、揉まずに萎凋させて乾かすだけでつくる、中国・福建省などのお茶です。萎凋のあいだにごくわずかに酸化が進むため「弱発酵茶」とも呼ばれ、ここでは半発酵茶の仲間として紹介しています。白毫銀針(はくごうぎんしん)や白牡丹(はくぼたん)がよく知られ、やさしく淡い水色と、ほのかな甘い香りが特徴です。

発酵茶(紅茶・和紅茶)

発酵茶は、摘んだ葉を萎凋させてから揉み、葉の中の酵素による酸化を十分に進めてから乾かすお茶で、いわゆる「紅茶」のことです。酸化が進むにつれて葉は赤褐色に変わり、水色は赤みを帯び、華やかで生き生きとした香りが生まれます。

インドのダージリンやアッサム、スリランカのウバ、中国の祁門(キーモン)など、紅茶は産地の名前で呼ばれることが多く、どれも発酵茶の仲間です。

後発酵茶(阿波晩茶・プーアル茶など)

後発酵茶は、茶葉を茹でたり蒸したりして酵素の働きを止めたあとに、乳酸菌やカビなどの微生物の力で発酵させてつくるお茶です。微生物の種類や発酵のさせ方は地域ごとに違い、さわやかな酸味や、熟成した独特の香りをもつものが多くあります。

日本の後発酵茶

日本にも、山あいの地域で受け継がれてきた後発酵茶があります。

  • 阿波晩茶(徳島県): 大きく育った夏の葉を茹でて揉み、桶に漬け込んで乳酸発酵させてから、天日で干してつくります。すっきりとした酸味が特徴です。
  • 碁石茶(高知県)・石鎚黒茶(愛媛県): 蒸した葉をまずカビで発酵させ、さらに漬け込んで乳酸発酵させる「二段発酵」でつくる、全国的にもめずらしいお茶です。
  • バタバタ茶(富山県): カビで発酵させた茶葉を煮出し、茶筌で泡立てて飲む、飲み方にも特徴のあるお茶です。

プーアル茶(黒茶)

中国・雲南省を代表するプーアル茶は、中国茶の6大分類では「黒茶」に入る後発酵茶です。茶葉を積み重ねて微生物の力で発酵を進める「熟茶」と、固めた茶葉を長い年月をかけて少しずつ熟成させる「生茶」があり、濃い褐色の水色と、土や木を思わせる独特の香りをもちます。

黄茶

黄茶は、緑茶と同じように殺青したあと、湿った状態の葉を布などで包んで寝かせる「悶黄(もんおう)」という工程で、葉をゆっくりと黄色く変化させる中国のお茶です。変化はごく軽いものの、殺青のあとに進むため「弱後発酵茶」と呼ばれ、君山銀針(くんざんぎんしん)などが知られています。

好みから選ぶお茶

これまで山ほどのお茶を飲んできた私が、初めて日本茶をじっくり味わってみたいという方に勧めたい最初の一杯は、やはり煎茶です。日本で最も多くつくられ、私たちの暮らしにいちばん身近なお茶だからこそ、産地や品種、蒸し方の違いがいちばんよく分かり、ここからほかのお茶へと広げていく土台になります。

そのうえで、好みや場面から選ぶなら、次のような入り方もあります。

  • 旨味をじっくり味わいたい: 玉露・かぶせ茶
  • 香りを楽しみたい: 浅蒸しの煎茶・萎凋煎茶・烏龍茶
  • 香ばしさにほっとしたい: ほうじ茶・釜炒り茶
  • 食事と一緒に気軽に: 番茶・玄米茶
  • やわらかな甘い香りを: 和紅茶
  • 個性的な酸味や熟成の香りを: 阿波晩茶などの後発酵茶

同じ茶葉からつくられるのに、加工の仕方は千差万別で、同じ種類のお茶でも作り手によって少しずつ味わいが違います。その小さな違いこそがお茶の個性であり、飲み比べる楽しさでもあります。

よくある質問

Q. 緑茶・烏龍茶・紅茶は、同じ茶葉からつくられているのですか?

はい、どれも同じ茶樹(チャノキ)の葉からつくられています。葉の酸化をどこまで進めるかの違いで、すぐに殺青すれば緑茶、途中まで進めれば烏龍茶、十分に進めれば紅茶になります。品種には、それぞれのお茶に向いたものがあります。

Q. お茶の「発酵」とは何ですか?

紅茶や烏龍茶でいう「発酵」は、微生物の働きではなく、茶葉にもともと含まれる酵素による酸化のことです。後発酵茶だけは、乳酸菌やカビなどの微生物による本来の意味での発酵を行います。

Q. 後発酵茶とはどんなお茶ですか?

茶葉を茹でたり蒸したりして酵素の働きを止めたあとに、微生物の力で発酵させてつくるお茶です。中国のプーアル茶や、日本の阿波晩茶・碁石茶・石鎚黒茶などがあり、酸味や熟成した独特の香りが特徴です。

Q. ほうじ茶は何茶に分類されますか?

ほうじ茶は、煎茶や番茶をさらに強い火で焙じてつくるお茶なので、不発酵茶(緑茶)の仲間です。茶褐色の水色は酸化ではなく、焙煎によるものです。

Q. 日本でも烏龍茶や紅茶はつくられていますか?

はい、日本でも各地で和紅茶(国産紅茶)がつくられているほか、烏龍茶のような半発酵茶や、萎凋させた緑茶(萎凋煎茶)をつくる生産者もいます。

お茶の種類と味わいはさまざま

緑茶も烏龍茶も紅茶も、もとは同じ茶樹の葉ですが、酸化のさせ方ひとつで水色も香りもまったく別のお茶になります。さらに、同じ煎茶でも、育った産地の土や気候、品種、蒸し方や火の入れ方によって味わいは大きく変わり、同じ種類のお茶でも、作り手が違えば一杯の個性はひとつひとつ違います。

4つの分類は、その広い世界を歩くための地図のようなものです。まずは身近な煎茶から、産地や品種の違うものを飲み比べ、そこからほうじ茶や和紅茶、烏龍茶へと少しずつ広げていくと、同じ茶葉から生まれる味わいの幅の広さにきっと驚かされるはずです。気になったお茶があれば、下の関連商品や茶葉の一覧から、まずは一杯分から試してみてください。

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